腰椎椎間板ヘルニアの治し方

腰椎椎間板ヘルニアの原因はゴミ腰椎椎間板ヘルニアも腰痛症も、座骨神経痛、腰椎分離症(すべり症)、脊柱湾曲症、脊柱管狭窄症など、どれも脊柱周辺から痛みや痺れが発生する慢性疾患です。

異なった病名が付けられてはいますが、和医術からみますと、これらは慢性病であり、第一義の原因物質はすべて同じものであると考えています。

その物理的原因とは何なのか?
その原因物質は除去できるのか?

和医術では物理的原因の正体がわかっています。
そしてそれを体に傷をつけることなく消すことができます。

ここでは腰部周辺に関するトラブルの代表として、日本人に比較的に多いと思われる腰椎椎間板ヘルニアを取り上げました。

和医術における腰椎椎間板ヘルニアの治験例はまだ希少ではありますが、施術を受けられた方々は治っておられます。

腰椎椎間板ヘルニアと診断された場合、腰痛症も併発していることが多いようです。ですから和医術では、まずは腰痛症の原因を取り除き、その上でヘルニアの原因解除へと進むことを通常の施術手順としています。腰痛症に対しての施術だけでヘルニアも自然解消してしまうこともあるからです。

以下、心身になるべく負担の少ない療法をお望みの方も多いと思いますので、選択肢の一つとしていただけるよう、西洋式医学と比較しながら、和医術での腰椎椎間板ヘルニアの治し方を述べていきたいと思います。

無傷で治す根治療法の醍醐味を知って、是非とも他の療法と比較してみてください。

なお、どのようにしてどれくらいの時間をかけて治っていくのかは個々人違いますので、一様には論じられません。
一例を治験例に掲載しましたので参考にしてください。

1,腰椎椎間板ヘルニアを西洋式医学ではどう解説しているか

脊柱(俗に背骨)は多数の椎骨が一列に連なったもので、人体の支柱です。この連なった個々の椎骨はそれぞれ筋肉や靭帯に支えられていて、この構造のおかげで、私たちは前後・左右・上下・旋回など、自由に動くことができるわけです。

医学的には、脊柱には部位別に名称がつけられています。上端は頭蓋と関節でつながっていて、上から頸椎(頸部)・胸椎(胸部)・腰椎(腰部)・仙骨・尾骨となっていますが、これは場所を分かり易くするがための呼称であって、構造はどの部位も同じです。

各椎骨の間にはクッションの役割をする椎間板という組織があります。この椎間板の中心にある髄核が弾力を失い、周りを囲んでいる線維輪に亀裂が生じ、この亀裂から髄核が椎間板を膨隆したり外に飛び出したりして脊髄や神経根を圧迫している状態を椎間板ヘルニアといいます。

それが腰椎で起こったものが腰椎椎間板ヘルニアです。腰椎の中でも4番と5番の間の椎間板に多いようですが、5番と仙骨との間でも見受けられますし、頸部・胸背部でも発生します。

このような腰椎椎間板ヘルニアを、病院(西洋式医学)ではどのように診断し、どのように治療しているのか簡単に見ておきましょう。

腰椎椎間板ヘルニアの一般的な症状
患部の椎間板が変性して、痛み・しびれを発症している状態をいいます。
(症状1)ギックリ腰のような急性腰痛で始まるものと、ゆっくりと悪化し、鈍痛が続くものとがあります。
(症状2)主な愁訴としては、腰痛と片側の下肢の痛みが多いようです。下肢の痛みは座骨神経痛がほとんどですが、ヘルニアの部位によっては大腿神経痛であることもあります。
(症状3)それ以外の症状としては、足の知覚異常・痺れ・筋力低下・歩行異常・排尿障害などが起こる場合もあります。
(症状4)脊柱の異常としては、痛みの為に腰椎が動かしにくいといったこともあります。

西洋式医学での腰椎椎間板ヘルニアの原因
不自然な姿勢を長く続けたり、重労働で体を酷使したり、筋肉の老化などが原因だと言われています。
●日常生活での動作
●椎間板の老化
●骨の老化
●姿勢の悪さからくる腰骨の歪み

病院における治療手段
病院においては、ヘルニアの診断は割と簡単にできるものなのですが、確定診断のため、またはヘルニアの部位を確認するためにはレントゲンだけではなく、体に害のないMRI検査が利用されているようです。
(治療手段1)保存的治療
安静・運動療法・外用薬・鎮痛剤(内服、座薬)、筋弛緩剤、ステロイド剤・神経ブロック注射・椎間板内ステロイド注射・腰椎牽引療・コルセット着用
(治療手段2)手術治療法
直接ヘルニアを除去する手術
椎間板内圧を減らしてヘルニアを引っ込める手術

2,椎間板ヘルニアや腰痛症には原因物質がある

西洋式医学の説明においては、腰椎椎間板ヘルニアの原因は筋肉疲労や老化によるものということにとどまり、原因物質を特定してはいませんが、和医術では原因物質がわかっています。

それは何か?

和医術ではいつも言うのです。
「そりゃ、ゴミの仕業じゃ」

結論を先に言ってしまいますと、
腰椎椎間板ヘルニアは、この「ゴミ」が、患部周辺の椎骨・靭帯・筋肉などの組織を閉塞させることによって神経系や血管系が圧迫を受け、正常に機能できなくなったことによるものです。

体内で「ゴミ」が閉塞してしまう原因には、体外的ストレス体内的ストレスとがあります。

体外的ストレスとは姿勢の悪さや体の酷使など。

体内的ストレスとは体内の「ゴミ」の量が自らの処理能力を超える状態が継続・持続すること。

両者ともその許容量を越えた時に発症するのだと考えています。

腰椎椎間板ヘルニアも腰痛症も、座骨神経痛、腰椎分離症(すべり症)、脊柱湾曲症、脊柱管狭窄症などはどれも「ゴミ」が原因であり、それぞれの症状が悪化して行くメカニズムも同じであるわけです。

ではその体内の「ゴミ」とはどのようなものなのか、簡単に説明しておきましょう。

和医術ゴミ理論も是非併せてお読み下さい。

3,「ゴミ」ってなに?

3-1,人体内では常に「ゴミ」が造られている

体内では代謝によって生命の維持に必要なエネルギーや物質が生成されていますが、同時に不必要な物質もつくられています。それは疲労素や石灰質、脂肪・タンパク質・血球などの変質物である異常化合物のことで、一般的には老廃物ともいわれています。

これらを、和医術では簡単に「ゴミ」と呼んでいます。

本来、人体にはその「ゴミ」を片付ける機能もちゃんと備わっています。

元気な体においては、体内各所で不要になった「ゴミ」は静脈に乗って肝臓や腎臓を経て尿として排泄されます。その他、便や垢、汗、呼気や屁など、様々な方法で体の外に放出されています。

人間の体は実に完璧に出来ているのですね。

しかし様々な理由で、通常の排泄ルートに乗れずに体内に溜まってしまうことがあります。

少しずつ溜まった「ゴミ」は、少しずつ体の機能を狂わせていき、さらに「ゴミ」を溜め込むようになるという悪循環を起こします。

この悪循環こそが、慢性病の始まりだと、和医術では考えています。

3-2,「ゴミ」は形態変化し成熟していく

「ゴミ」には気体・液体・固体の3形態があります。

体内に留まった「ゴミ」は体内を移動しながら、あるいは特定部位に堆積しながら、液体あるいは微粒子状態から固形化方向へと、形態を変え、分化・熟成・成長しているものと考えています。

現代日本人の体内環境は、実はこの「ゴミ」でいっぱいなのです。

3-2,「ゴミ」は膜と膜の間に溜まり、「玉」や「玉道管」を形成する

人体内において、「ゴミ」は膜と膜の間に溜まるように出来ているようです。

和医術ではこの膜と膜の間を「ゴミ」の「排出路」と呼んでいます。

また、粒子状であった「ゴミ」がくっ付き合って大きく熟成した状態のものを「玉(ぎょく)」

それが鎖(くさり)のように管状になったものを「玉道管(ぎょくどうかん)」と呼んでいます。

膜と膜の間、つまり「排出路」に流れ込んだ「ゴミ」は、通常ならば移動しながら自然分解されて体外へ排泄されていきます。

しかし様々な要因により体の機能が低下し、「ゴミ」が溜まり続けると、「ゴミ」は「排出路」を塞ぎ、周囲に「玉(ぎょく)」や「玉道管(ぎょくどうかん)」を形成し始め、筋繊維・筋膜・神経・血管等を圧迫し、冷えや凝り、痛みなどの症状が出るようになっていきます。

※「玉」「玉道管」についても和医術ゴミ理論を参照してください。

「ゴミ」が直接的に生命を脅かすことはありませんが、長年に渡って大量に蓄積されると、内科的には血管が目詰まりして脳梗塞や心筋梗塞になったり、内臓器質的には肝硬変・心臓肥大・腎不全を誘発したりと、間接的には命にかかわる場合も出てきます。

4,「ゴミ」が腰椎椎間板ヘルニアを引き起こす構造

では「ゴミ」が解ったところで、腰椎椎間板ヘルニアの場合、実際にどのように「ゴミ」が関与しているのかを見てみましょう。

患者さんによっては、腰椎椎間板ヘルニアの痛みと腰痛症による痛みとが同居している場合があります。また、MRI画像診断で確かにヘルニアに見えても、実際の痛みは腰痛症のものである場合もあります。

腰痛症が原因で座骨神経痛となって、腰部・臀部・下肢に痛みやシビレの症状が現われている場合もよくありますので、まずは腰痛症の発症メカニズムから述べていきます。

4-1,腰痛症発症のメカニズム

腰痛症とは、腰部の筋膜に堆積した石灰質様の「ゴミ」と「玉(ぎょく)」と「玉道管(ぎょくどうかん)」が神経系・血管系を圧迫することにより痛みが出ているものです。

その様子をご理解いただくために、まずは骨格筋の筋膜層に「ゴミ」が堆積していく様子の一例をご覧下さい。

ではまずは正常な骨格筋をご覧ください。
【図-1】筋肉皮膜層にはゴミがなくきれいな状態です。

健康なときの骨格筋

【図-2】筋束の断面(【図-1】の断面)はこうなっています。

健康なときの筋束

正常時は筋束断面もこのように整っています。

この筋肉皮膜層に「ゴミ」が溜まるとどうなるか、というのが次の図です。

骨の硬膜や筋肉内に発生した「ゴミ」は、まずは筋束を包んでいる筋膜に集積していきます。

【図-3】「ゴミ」が蓄積し、「玉」が重なり合って神経を圧迫しています。

骨格筋に玉ゴミが堆積した様子

【図-4】「ゴミ」が移動し、形成された「玉道管」が筋肉層にくさりのように絡み付いて、神経や血管を圧迫しています。

骨格筋に「玉道管」ゴミが絡み付いているいる様子

(図-3)(図-4)のようになった段階での断面は(図-5)のような状態です。(図-2)と比べてみてください。

【図-5】膜と膜の間に「ゴミ」「玉」「玉道管」が堆積しています。

「玉」や「玉道管」により機能を阻害されている筋束断面の様子

このように、それぞれの機能を持っている筋肉の一つ一つに、「ゴミ」の構造物が出来上がっていきます。

さらに「ゴミ」の量が増えると、「ゴミ」は関連筋肉をグループごとに包んでいる筋膜へと移行していきます。

またさらに「ゴミ」の量が増えると、今度は筋肉全体を包んでいる一番外側にある筋膜と皮膚皮膜とが接合しあう空間に流れ込みます。
そこが和医術で言うところの「ゴミ排出路」でありますが、この時点ではまだ症状は出ていません。

やがて皮膜と筋膜の空間である「排出路」内の「ゴミ」の量が過剰になってくると「玉(ぎょく)」や「玉道管(ぎょくどうかん)」が形成され始めます。

「玉(ぎょく)」や「玉道管(ぎょくどうかん)」が方々に張り巡らされるようになると悪影響が出はじめます。

筋肉の緊張・収縮に伴い、筋膜の空間に出来上がっている「ゴミ」「玉」「玉道管」も収縮します。「玉道管」はよじれ、一定の箇所に集中し、それに引っ張られるようにように散乱していた「ゴミ」も一定の箇所に集中していきます。

その結果、その部位の筋繊維・筋膜・神経系・血管系の働きが阻害され、それぞれの相互情報伝達が混乱を起こしはじめます。

そして、ついに神経終末にスイッチが入ります。 その結果としてアセチルコリンや痛みの物質が分泌され、発症となるわけです。

【図-6】神経終末の様子

ついに痛み物質を放出する神経端末

その結果として発症となるわけです。

以上の【図-1】-【図-6】は一つの骨格筋を簡略化して描いたものに過ぎません。人体の筋肉は多重構造になっていますから、実際にはゴミ構造物が幾重にも絡み合って築かれていくことになります。

その複雑さたるやすごいもので、まさに大自然の驚異を見るようです。

腰が重い、痛いというような腰痛症の場合は石灰質様固形「ゴミ」がありますので、これを消せば症状も解消しています。

軽いうちなら腰部・臀部・下肢をある一定方向に動かすと角度によっては痛みが出るという程度なのですが、ゴミが成熟・増殖してくると強い痛みに変わり、首を動かしただけでも腰部・臀部・下肢に激痛が走るようになってきます。

4-2,腰椎椎間板ヘルニアの発症メカニズム

腰椎椎間板ヘルニアの場合は、ある程度の腰痛原因物質、つまり「ゴミ」の沈着のためにあらかじめ血流障害があるところに、椎間板に特定の持続的圧力をかけたことによって発症すると考えられます。

【図-7】腰椎椎間板ヘルニア発症時の腰椎周辺に見られる「ゴミ」

腰椎椎間板ヘルニアに見られる「ゴミ」の実況

腰痛症物質「ゴミ」により血流の悪くなっているところに、過度な力仕事やスポーツ、あるいは事務職の方などは椅子座での悪い姿勢などによって腰椎椎間板を圧迫し続けると、さらに血流が悪くなり、炎症を発生させます。

その炎症は、患部にさらに新たな「ゴミ」を増殖させることになります。

その結果、椎間板が変形をきたし髄核が突出してきます。それがついには脊髄神経を圧迫するようになり、当該運動神経が支配している部分の筋肉に誤った情報が流れ、筋収縮し、血流障害が生じ、【図-6】のように痛み物質が放出されることになります。

5,和医術における腰椎椎間板ヘルニアの治し方

5-1, 和医術では「ゴミ」を消すことができる

腰椎椎間板ヘルニアの原因は、そもそもは体内の「ゴミ」過剰によるものであることがお解りいただけましたでしょうか。

和医術では、「ゴミ」の全容が肉眼で見ているように、指先で感じることができます。その様子は、レントゲン・CT・MRIよりもっと具体的です。

症状の原因となっている「ゴミ」を見ながら、「ゴミ」の塊となっている「玉(ぎょく)」や「玉道管(ぎょうくどうかん)」も砕き、溶かし、消していきます。

つまり「ゴミ」を消す術(すべ)が和医術なのです。

消すとはどういうことかといいますと、神経系や血管系を強固に圧迫している「ゴミ」を溶かして、血液精分に逆戻りさせることです。

硬固形物となっている「ゴミ」ではありますが、元をたどれば血液です。

施術により、弊害となっている「ゴミ」を元の血液精分にまで戻すと、後は患者さん自身の体の解毒機能が自動的に働き出します。「ゴミ」は血液やリンパ液に溶け込み、「排泄路」を経由して尿・便・汗などとして、無事排泄されるというわけです。

無傷、無痛で、気持ちよく治す技術であります。もちろん副作用などは一切ありません。

5-2, 施術は腰痛症から精髄症へ

腰痛症も脊髄症も、その物理的第一原因は細胞から排出され形態変化していった「ゴミ」です。

単に椎間板ヘルニアといいましても腰痛症とリンクしていますから、椎間板ヘルニアだけを解消しても不十分で、腰痛症まで取り除かなくてはスッキリしませんし、再発もあり得ます。

また、MRI検査も受けた上で病院で椎間板ヘルニアであると診断された方々の中にも、実際にはヘルニアもどき(腰痛症や神経痛)である場合もあったりします。

ですから、冒頭にも述べましたように、腰椎椎間板ヘルニアにおける施術手順は、和医術理論上から、腰痛症に対するものと椎間板ヘルニアに対するものとに分けています。

●腰痛症のグループ
腰痛症(腰周辺の痛み・不具合)
座骨神経痛
腰椎分離症(すべり症)
脊柱湾曲症

●脊髄症のグループ
椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
             
まず最初に腰痛症の原因である「ゴミ」を取り除き、その上で脊髄症の原因解除へと進んでいきます。

※詳細は和医術とは何か?をご覧下さい。

5-3, 関連「ゴミ」を消し尽くす!

そこで、私が施術中に見ている腰痛症の「ゴミ」の光景を一つご覧いただきましょう。

【図-8】腰痛症の場合に見られる臀部の「ゴミ」の実況

腰痛症の場合に見られる臀部の「ゴミ」の実況

これはヘルニアや狭窄以外の腰痛で、臀部から下肢の痛みやシビレ、座骨神経痛の強度な痛みなどがある時の、「ゴミ」の実況です。

実際にはもっと多重構造で立体的なものですが、様々な症状の原因である「ゴミ」「玉」「玉道管」のイメージをつかんでいただき、これを消せば治る、という事実があることを知っていただくために、掲載してみました。

腰椎椎間板ヘルニアは腰部の病気ではありますが、腰部だけでなく背部・臀部・腹部・下肢までの「ゴミ」を除去する必要があります。

体に何らかの症状が出た時、体内の「ゴミ」は、実際はこれ以上に、現実に物理的に体内にあるのです。これを片付けなければスッキリと来るはずはないでしょう。

※その他詳細は和医術とは何か?をご参照下さい。

2013-12-02 | Posted in 病名別病気の治し方