偏頭痛(片頭痛)の治し方

これを消せば偏頭痛は治せます偏頭痛(片頭痛)は、頭蓋骨の硬膜から筋肉・皮膜との間で発生しているもので、頭蓋内部の痛みではありません。頭皮と頭蓋骨との間は、胸や腹などに比べて非常に薄くはありますが筋肉です。

つまり、偏頭痛(片頭痛)は筋肉の異常なのです。

筋肉の異常と一口に言っても、首から上の頭部・顔面部位に関しては少し複雑です。

多重構造となっている割には頭蓋骨と表皮との間の空間が狭く薄いため、他の体幹部位の筋肉に比較して痛みが発生しやすいところでありますし、また内臓同様、自律神経と深く密接な関係があるため、物理的な原因に留まらない場合もあります。

自律神経との関わりについても後述していますので、是非最後までお読みください。

いずれにしろ、和医術から見れば筋肉の慢性的な痛みの原因物質はどれも同じですから、慢性頭痛などの筋肉の病気は和医術の得意とするところであります。

病院でも明確な原因を掴めずなかなか治しにくい慢性頭痛が、化学薬品も使わず外科的手術もせずに、和医術ではなぜ解消できるのか?

結論から言いますと、それは和医術の治療手段と方法が病院とは違うからでありましょう。

以下、病理とその対応手段などについて、日本式の和医術と西洋式医学を比較しながら私の考えを述べていきます。その後で、和医術ではどのように解消へと導いているのかを説明していきますので、治すための手段を選択する判断の目安にしていただければと思います。

1, 西洋式医学では、原因はセロトニン?

西洋式医学では頭痛は大きくは症候性頭痛と機能性頭痛の二つに分けられています。脳などの疾患が原因で起こる頭痛を症候性頭痛、疾患などの原因がないのに頭痛が繰り返して起こるものを機能性頭痛と呼んでいます。

偏頭痛・群発頭痛・緊張型頭痛は機能性頭痛として分類され、慢性頭痛ともいわれています。中でも偏頭痛で悩んでいる患者さんは大変多いようです。

症状などは医者よりも患者さん方の方がよくご存知のことなのですが、まずは復習しておきましょう。

偏頭痛(片頭痛)について病院(西洋式医学)ではどのように診断し、どのように治療しているのか簡単にまとめてみました。

偏頭痛の一般的な症状
(症状1)ズキン、ズキンと脈を打つように拍動する痛みが特徴で、血管性頭痛とも呼ばれています。
(症状2)片側に拍動性の頭痛が生じます。痛みは徐々に強くなり、一時間くらいでピークに達し、数時間から数日間継続します。吐き気、嘔吐を伴う場合もあります。
(症状3)頭痛発作の前日〜5日前位前に、気分の変化、口の乾き、あくび、眠気などの症状が出る場合もあります。
(症状4)口唇、顔面、手のしびれ、上肢の脱力などの症状が前兆となることもあります。

偏頭痛の原因、病院の解説
偏頭痛は、ハードな仕事をこなした後や大きな悩みから解放された後など、それまで過度の緊張で収縮していた血管が拡張してきた時に発作が起こるようです。
その原因としては血管説・三叉神経説などいくつかの説がありますが、セロトニンという神経伝達物質が深くかかわっていることが判明し、最近では治療に応用されています。

病院における偏頭痛の治療手段
(治療手段1)頭痛発作に対する薬物療法
(治療手段2)発作を予防するための薬物療法

2, 痛みの「根本原因」は何か?

2-1, 化学薬物で治る、治せる道理がない

頭痛の原因について、西洋式医学においては様々な角度からの論説がありますが、結局のところいろいろなメカニズムが痛みの発生に関与していると思われるとし、今のところ原因を断定してはいません。ですから、治療方法は薬物による対症療法にとどまっているようです。

つまり今のところ病院では、治すことを目的とはしていないということです。

とはいえ、そもそも西洋式医学は対処対症が目的でありますから、それはそれでその目的を達成しつつあるわけです。

西洋式医学としてはその役割から考えても、病名一つ一つに対してその原因物質を究明する必要があります。「薬物で治療する」という固定した観念が根底にありますから、原因物質を化学的に見つけ出す必要があるでしょう。

しかし、そのような学問的方向性のみで仮に頭痛を誘発する物質がいくら特定できても、これは根本的な原因解明には至らないであろうと考えます。この方向性だけでは、化学的原因物質は今後も無限に発見され続け、行き着くところはありません。

ここが現在の西洋式医学(病院)の治療手段が抱えている問題点であり、足りないところであると考えます。化学薬物という治療手段にのみ合わせた原因解明であるからこうなるのです。

患者の願いは治ることです。
治療手段を変えればもっと簡単なのです。

2-2, 西洋式医学的「原因」を発生させているものは「ゴミ」である

西洋式医学において偏頭痛(片頭痛)の原因と言われている一説に「血管説」があります。

これはセロトニンの分泌によって一旦収縮した血管が、時間の経過とともにセロトニンが減少することによって拡張するために頭痛が起こるというものですが、収縮した血管が元に戻るだけなのに、なぜ痛みがでるのでしょうか?

セロトニンやアセチルコリン、アドレナリンなどの多くの神経伝達物質やホルモンは、本来人体を健全に保つために必要なものであり、決して不必要な物質ではないはずなのです。であるのになぜ、悩ましい症状を誘発してしまうのでしょうか?

和医術の立場からはこう考えます。

人間の体は完璧に出来ています。
常に正常に機能するよう造られているのです。

にもかかわらず異常な神経伝達物質やホルモン物質が分泌されるのには、何か理由があるはず。

西洋医学のいう「原因」は物理的には二義的原因であって、その引き金となっているもの、つまり第一義的原因である「根本原因」が必ずあるはずです。

物理的根本原因
(一義的原因)

西洋式医学的原因
(二義的原因)

症状発現

「根本原因」をみつけて、それを解消することが出来れば、「第二義的原因」は発生せず、症状も発症しようがない。

二義的原因である物質をいくら抑制しても、体はそれをつくり続けます。そう考えると、神経伝達物質やホルモン物質の分泌を抑えるだけでは治らないのは当然のことだとわかります。

では西洋式医学でも特定出来ていない、その「根本原因」が何かわかるのか?

和医術ではわかるのです。
それは「ゴミ」です。

和医術では、西洋医学が「原因」としている領域の物質は確認できません。例えば、「ここにセロトニンが分泌されています」などと私には判りません。

しかし体内の「ゴミ」なら、骨の硬膜から筋繊維・筋膜・皮膚・皮膜まで全層にわたって指先で物理的に感じることができます。

体内の「ゴミ」が観えるのは「気エネルギー」によるものです。

和医術は、「気」の働きによって、病気の「根本原因」となっている体内の「ゴミ」を見つけ出し、確認し、解消することによって元の「元気」を取り戻す医術です。

※詳細は和医術とはなにか?をご参照ください。

ではその物理的「根本原因」である「ゴミ」について話しを進めて参りましょう。

3,「ゴミ」ってなに?

和医術ではいつも言うのです。
「そりゃ、ゴミの仕業じゃ」と。

偏頭痛(片頭痛)も緊張型頭痛も群発頭痛も、頭痛の根底にある物理的仕組みは同じです。

いずれも頭蓋骨の硬膜から筋肉・皮膜との間で発生しているものですし、それぞれに関与する神経伝達物質は違っても、痛みが出る時の体の内・外の環境が違っても、痛みを引き起こす直接的な物理的原因は同じで、体内の「ゴミ」によるものです。

悪症状を起こしている部位には必ず「ゴミ」があります。

コレは何だろう?
から始まって、

コレを消せばどうして症状が消えるのだろう?

そうだ、コレは「ゴミ」なんだ!
と研究を重ねてきました。

ここでは私が実際に確認してきた体内の「ゴミ」の状態をいくつかご覧いただきながら、皆様にも「ゴミ」についての理解を深めていただきたいと思います。

和医術ゴミ理論も是非併せてお読み下さい。

3-1,人体内では常に「ゴミ」が造られている

体内では代謝によって生命の維持に必要なエネルギーや物質が生成されていますが、同時に不必要な物質もつくられています。疲労素や石灰質、脂肪・タンパク質・血球などの変質物である異常化合物のことで、一般的には老廃物ともいわれています。

これらを、和医術では簡単に「ゴミ」と呼んでいます。

本来、人体にはその「ゴミ」を片付ける機能もちゃんと備わっています。

元気な体においては、体内各所で不要になった「ゴミ」は静脈に乗って肝臓や腎臓を経て尿として排泄されます。その他、便や垢、汗、呼気や屁など、様々な方法で体の外に放出されています。

人間の体は実に完璧に出来ているのですね。

しかし様々な理由で、通常の排泄ルートに乗れずに体内に溜まってしまうことがあります。

少しずつ溜まった「ゴミ」は、少しずつ体の機能を狂わせていき、さらに「ゴミ」を溜め込むようになるという悪循環を起こします。

この悪循環こそが、慢性病の始まりだと、和医術では考えています。

3-2,「ゴミ」は形態変化し成熟していく

「ゴミ」には気体・液体・固体の3形態があります。

体内に留まった「ゴミ」は体内を移動しながら、あるいは特定部位に堆積しながら、液体あるいは微粒子状態から固形化方向へと、形態を変え、分化・熟成・成長しているものと考えています。

現代日本人の体内環境は、実はこの「ゴミ」でいっぱいなのです。

3-3,「ゴミ」は膜と膜の間に溜まり、「玉」や「玉道管」を形成する

人体内において、「ゴミ」は膜と膜の間に溜まるように出来ているようです。

和医術ではこの膜と膜の間を「ゴミ」の「排出路」と呼んでいます。

また、粒子状であった「ゴミ」がくっ付き合って大きく熟成した状態のものを「玉(ぎょく)」

それが鎖(くさり)のように管状になったものを「玉道管(ぎょくどうかん)」と呼んでいます。

膜と膜の間、つまり「排出路」に流れ込んだ「ゴミ」は、通常ならば移動しながら自然分解されて体外へ排泄されていきます。

しかし様々な要因により体の機能が低下し、排泄されずに「ゴミ」が溜まり続けると、「ゴミ」は「排出路」を塞ぎ、周囲に「玉(ぎょく)」や「玉道管(ぎょくどうかん)」を形成し始め、筋繊維・筋膜・神経・血管等を圧迫し、冷えや凝り、痛みなどの症状が出るようになっていきます。

※「玉」「玉道管」についても和医術ゴミ理論を参照してください。

「ゴミ」が直接的に生命を脅かすことはありませんが、長年に渡って大量に蓄積されると、内科的には血管が目詰まりして脳梗塞や心筋梗塞になったり、内臓器質的には肝硬変・心臓肥大・腎不全を誘発したりと、間接的には命にかかわる場合も出てきます。また、各種のガンを発症させる原因ともなります。

4,「ゴミ」が偏頭痛を引き起こす構造

4-1,「ゴミ」が痛みを発生させるメカニズム

この「ゴミ」が筋肉に痛みを発生させている様子を簡単に見てみましょう。

【図-1】筋肉皮膜層にはゴミがなくきれいな状態です。

健康なときの骨格筋

【図-2】筋束の断面(【図-1】の断面)はこうなっています。

健康なときの筋束

正常時は筋束断面もこのように整っています。

この筋肉皮膜層に「ゴミ」が溜まるとどうなるか、というのが次の図です。

骨の硬膜や筋肉内に発生した「ゴミ」は、まずは筋束を包んでいる筋膜に集積していきます。

【図-3】「ゴミ」が蓄積し、「玉」が重なり合って神経を圧迫しています。

骨格筋に玉ゴミが堆積した様子

【図-4】「ゴミ」が移動し、形成された「玉道管」が筋肉層にくさりのように絡み付いて、神経や血管を圧迫しています。

骨格筋に「玉道管」ゴミが絡み付いているいる様子

(図-3)(図-4)のようになった段階での断面は(図-5)のような状態です。(図-2)と比べてみてください。

【図-5】膜と膜の間に「ゴミ」「玉」「玉道管」が堆積しています。

「玉」や「玉道管」により機能を阻害されている筋束断面の様子

このように、それぞれの機能を持っている筋肉の一つ一つに、「ゴミ」の構造物が出来上がっていきます。

さらに「ゴミ」の量が増えると、「ゴミ」は関連筋肉をグループごとに包んでいる筋膜へと移行していきます。

またさらに「ゴミ」の量が増えると、今度は筋肉全体を包んでいる一番外側にある筋膜と皮膚皮膜とが接合しあう空間に流れ込みます。
そこが和医術で言うところの「ゴミ排出路」でありますが、この時点ではまだ症状は出ていません。

やがて皮膜と筋膜の空間である「排出路」内の「ゴミ」の量が過剰になってくると「玉(ぎょく)」や「玉道管(ぎょくどうかん)」が形成され始めます。

「玉(ぎょく)」や「玉道管(ぎょくどうかん)」が方々に張り巡らされるようになると悪影響が出はじめます。

筋肉の緊張・収縮に伴い、筋膜の空間に出来上がっている「ゴミ」「玉」「玉道管」も収縮します。「玉道管」はよじれ、一定の箇所に集中し、それに引っ張られるようにように散乱していた「ゴミ」も一定の箇所に集中していきます。

その結果、その部位の筋繊維・筋膜・神経系・血管系の働きが阻害され、それぞれの相互情報伝達が混乱を起こしはじめます。

そして、ついに神経終末にスイッチが入ります。 その結果として痛みの物質が分泌され、発症となるわけです。

【図-6】神経終末の様子

ついに痛み物質を放出する神経端末

以上の【図-1】-【図-6】は一つの骨格筋を簡略化して描いたものに過ぎません。人体の筋肉は多重構造になっていますから、実際にはゴミ構造物が幾重にも絡み合って築かれていくことになります。

その複雑さたるやすごいもので、まさに大自然の驚異を見るようです。

4-2, 偏頭痛(片頭痛)発症のメカニズム

偏頭痛(片頭痛)の場合、西洋式医学では、心的・物的ストレス等により緊張状態になると、セロトニンが分泌され血管が収縮することが関係しているとされています。

和医術でもこれは正しいと推察しています。

緊張状態とは求心力が働いた状態ですから、この状態が続くと筋肉も血管も収縮し、その求心力に引き寄せられるようにして「ゴミ」や「玉道管」も収縮するのだろうと考えられます。

緊張型頭痛のように緊張状態時に痛みの出る病名もありますが、偏頭痛(片頭痛)の場合はこの時点では痛みとならず、ここから先に問題があるのです。

求心力によって引き締まり収縮していた血管と筋肉は、過緊張から開放されると求心力が拡散力に変じ、今度は緩み広がり、血流が良くなっていきます。

それに対し「ゴミ」や「玉道管」の方は、血管や筋肉よりも拡散力による変化が鈍いので、広がるのに時間がかかるのだと考えられます。

ですから緩み広がろうとする筋肉の神経系や血管は「ゴミ」や「玉道管」によって押さえられ縛られたままの状態となり、お互いの間にせめぎ合い、圧力が強化されることになります。

その結果、筋肉の神経系と血管とが同時に「ゴミ」や「玉道管」による圧迫を受けることとなり、拍動性の痛みとなるものと考えられます。

つまり、神経終末から分泌される物質が何であろうとも、不調和を発生させているものは、血管や筋肉と「ゴミ」や「玉道管」の、求心性(引き締める力)と拡散性(拡げる力)に対応する弾力性の違いであります。

このように「ゴミ」や「玉」・「玉道管」の量が多いと、何かにつけスイッチが入り頭痛を頻発し、慢性化します。そのスイッチは温度や気圧であったり、音や臭いであったり、肉体疲労であったり、あるいは感情の乱れなど様々です。

「以前はこんな頭痛はしなかったのに…」と思われるのは、昔より体内の「ゴミ」が増えたからなのです。「ゴミ」がなければ、少々のことでスイッチの入りようがありませんし、慢性化することなどないはずです。

心因性の誘因で偏頭痛(片頭痛)となっている場合でも、治療法としては、まずは「ゴミ」を片付けて頭痛を解消されるべきでしょう。

なお、鎮痛剤も「ゴミ」に変わりますので、長期服用はお薦めできません。しかし化学薬物が悪いわけではありません。使用目的に合わせて使えば、大変便利なものであります。

5,和医術における偏頭痛(片頭痛)の治し方

5-1, 物理的「ゴミ」を消せば解消する

偏頭痛(片頭痛)の場合の痛みや不快症状の原因は「ゴミ」過剰によるものであることがおわかりいただけましたでしょうか。

セロトニンが引き金になってるように見えますが、実は血管が拡張した際の、頭蓋硬膜と筋肉と皮膜間の「ゴミ」による神経圧迫症状です。

和医術はこの「ゴミ」を解消する医術です。

施術により、神経系や血管を圧迫している「ゴミ」を溶かし、尿や汗として、あるいは血流に乗せて自力で排泄できるように促します。
「ゴミ」の塊となった「玉(ぎょく)」や鎖状になった「玉道管(ぎょくどうかん)」も細かく砕き、同様に通常の排泄路の流れに乗せていきます。

それにより患部組織に新鮮な血液が届き、体は本来の働きを取り戻し、徐々に正常化され、やがて症状は消えていきます。

※詳細は和医術とは何か?をご覧下さい。

なお、頭部と顔面のゴミは交流していますし、頸部・肩部・胸部へも流れ込んでいますから、頭痛といえども頭部から顔面・頸部・胸部までのゴミ処理が必要になってきます。人体は機械のようにパーツで区切ることはできません。

5-2, 偏頭痛に見られる「ゴミ」堆積実態例

偏頭痛の患者さんに見られる顔面・頭部に渡る「ゴミ」の実況はこのようになっています。

【図-7】偏頭痛の「ゴミ」の実況
偏頭痛に見られる頭部・顔面の「ゴミ」の実況

向かって右半面が皮膚一枚隔てた偏頭痛(片頭痛)「ゴミ」の状況です。
左半面は健康な時の状態です。本来はこのようにきれいなものです。

このような微細な「ゴミ」を確認しながら施術を進めているわけです。平面図ではありますが、様々な症状の原因である「ゴミ」「玉」「玉道管」のイメージをつかんでいただき、これを消せば治る、という事実があることを知っていただくために掲載してみました。

和医術では西洋医学が見えている所が見えず、西洋医学では和医術が見えている所が見えない。これは面白い構図です。双方が協力し合えれば素晴らしいことになると思います。

5-3, 和医道心身体術が必要な場合がある

和医術による体の「ゴミ」分解で解消できた場合は、これは軽症です。重症である場合には、自律神経と関わっているが故に、和医道心身体術の実践が必要になってきます。

近年の慢性的な「痛み」は、神経終末のトラブルによる筋肉痛だけにとどまらず、長年のストレス反応が中脳中枢神経領域にまでも悪影響を及ぼし、それが原発となって症状を引き起こしているケースも増えています。

自律神経にパターン化した負の連鎖反応が定着してしまったため、
心の内・外環境の誘因と「ゴミ」とがキャッチボール状態となり、どちらが直接の原因なのか判別しにくい状況をつくっています。「根本原因」が非常にわかりにくい現象となっているわけです。

【図-8】負の自律神経スパイラル

頭痛ー負の自律神経スパイラル

これは頭痛に限った事ではないのですが、「痛み」を鎮痛剤等で長年ゴマカシゴマカシしながら我慢して対処してきた結果、どんどん治しづらい病域へと変化させてしまったということでしょう。

この場合もまずは物理的「ゴミ」を片付けますが、ご本人には和医道心身体術を実習していただくことで、治癒しています。

病院では、中脳中枢神経領域にまで波紋が及んだ場合は精神薬を処方して悪化を食い止めるわけですが、それはそれでそれなりの有効性はあるようです。

しかしそれで満足するかしないかは皆様方次第。
各人の判断次第です。

「痛み」の元を絶って、「痛み」のことなど忘れて過ごしたいのであれば、和医術プラス心身の体術を使って自分のために、自分でコントロールなさることをお薦めします。

予防にもなりますし、和医道心身体術だけでも治癒してしまうものだと私は思っています。是非ともご自分で、心身の体術を使って治していただきたいと願っております。

自律神経との関わりについては次章にも記載していますので、最後までお読みください。

6, 心の誘因子は自分で消す!

さらに先があります。

6-1, 過剰な「ゴミ」は自分の心が造ったもの

人間の体はいつも健康であるように完璧に造られています。にもかかわらず、偏頭痛(片頭痛)を発症するほどの「ゴミ」を出してしまった原因も考えなくてはなりません。

食事やその他にも要因もあるかも知れませんが、恐らく「働き過ぎ」「頭の使い過ぎ」「寝不足」「心に感じる不快感」などのストレスが内分泌系に働きかけ、交感神経を過緊張状態にしたのでしょう。

常時の我々は健康のことなどいちいち考えなくても体がちゃんと調整し、常に一定の状態になるよう整えてくれています。一般に生体恒常性(ホメオスタシス)と言われる機能で、この機能の指令伝達網の役割を担っているのが自律神経です。

この自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、お互いの神経はまるで反対の働きをして体の平衡バランスを調整してくれています。

簡単に言うと、交感神経は昼間の神経で、頑張るときの神経です。それに対して副交感神経は夜間の神経で、寝ているときに働いて体内の「ゴミ」を片付け、明日のために体内を整える神経です。

このまったく異なる反対の働きをしている交感神経と副交感神経には、面白いことにお互いに助け合い協力し合おうとする相補力も働いているのです。人体の仕組みは、実に完璧に出来ています。

正常に排出・移動されない「ゴミ」が局部に集まり堆積していきますと、これはもう副交感神経が入る隙間がない。それでも何とか立て直そうとして副交感神経は痛み物質を分泌して訴えかけていると考えられます。

「しばらくの間、体を休ませていただけませんか…。このままいったら大変なことになりますから…。お願いします!」

その結果が、頭痛となって現われているのです。

これがいわゆる副交感神経の相補力の現われですから、痛いということは、あなたが正常人間である証でもあるのです。

人体の仕組みは、実に完璧に出来ています。

6-2, 環境を見直してみよう

症状が出ると辛いのはよくわかりますが、それは生命をなるべく長く維持する為の副交感神経の働きかけであり、体からの有り難いメッセージなのです。

自分が何を頑張りすぎたのか?
自分にとって何がストレスになっていたのか?
自分は何に対して不満を持ちやすいか?

思い当たることがあるはずです。
これは自分でしかわからないことです。

萬病の元となる「ゴミ」を作る本当の原因は、そこ、つまり自分を取り巻く環境の中にあると考えます。

6-3, ストレスに負けない心と体に戻す方法

今までお話ししてきたように、「ゴミ」を消せば症状は消え去ります。

しかし、またいつか再発するようでは消した意味がありません。

一度ゴミを消す経験をされたら、それをきっかけにその後はストレスに振り回されないよう、ストレスをストレスと感じないような自分(心とからだ)になっていただきたいと思っています。それが一番の幸せでしょう。

心的ストレスを解消することが心理学で出来るなら簡単ですが、理屈や理論だけではどうにもならないのが心というものです。

「自分で自分の心がどうにもならない、治めようがない」とよく言われますが、自分で自分の心を治める方法がわからないところに、人間が生きる上での難しさがあるようです。

例えば、自分の心が恐れ焦っている時は、いくら「恐れるな焦るな!」と言い聞かせても、交感神経が緊張して心臓がドキンドキンと拍動します。血管が引き締まって体が硬くなり、身動きがぎこちなく、普段のようになめらかにはいきません。

人間の「心」というものは潜在意識に原因しているものですから、顕在意識ではどうにもならないわけです。

これは既に科学の世界でも理解されていることでありますが、問題となるのは、自分の「心」を治めるための有効で安全で社会性ある方法・技術とはどのようなものかという事になってくるでしょう。

それが和医道和医術の得意とする分野であります。

和医道和医術には、ご自分で出来る有力な心身調律法があります。時間のある時、自宅でも外出先でもどこでもできる、自律神経コントロール法です。自分が心身共に日々元気を感じられるような自信が持てるようになるまで、実行されるとよろしいでしょう。

人生は短いようでも長い。

今持っている病気をきっかけに、もちろんその病気を解決されて、今後は安心した日常生活を送ることができる心と体に造りかえていただきたいと願っております。

2013-12-02 | Posted in 病名別病気の治し方