整形外科系疾患の治験例

こんな腰椎部分説明図も書いたりします整形外科系に関する治験例としては、腰椎部分の椎間板ヘルニアとぎっくり腰、そしてちょっと珍しい骨化症をとりあげてみました。

後述の5例程度でだいたいの施術イメージは掴めると思います。

ただし、骨化症など一般的には難しいと思われているような症状でも案外1〜2単位で解消する場合もあれば、他部位との関連によってはかなり手こずる場合もあります。同じ病名であっても、解消に要する時間にはかなりの差異が生じる場合があるのです。

そのようなわけですから、たとえ整形外科系であっても、解消までに必要な施術時間(期間)を病名別に整然と記載できる程、人体は甘くはありません。

しかし整形外科系であれば、施術して行くうちにはいつか完解する日がやってきます。そこが内科系と違うところです。内科系ほどは心の問題の解決まで踏み込まずともよろしいのですから、考え方によっては、痛みはあってもまだ楽なものです。

こんなことを言うと叱責されそうですが、整形外科系と内科系の両方を私自身が自己体験してみて、そう感じるのです。

整形外科系一般萬病、恐るるに足らず!

では整形外科系の治験例をご紹介していきましょう。

(治験例1)腰椎椎間板ヘルニア(L4-L5)

Mさん(当時32歳 男性)

Mさんは、腰痛の原因を「腰椎4と5の椎間板ヘルニア」と病院で診断され、MRI画像を携えて来院されました。

画像を見る限り、これはまぎれもなく椎間板ヘルニアであろうと、私も感じました。

Mさんは以前、自動販売機の缶入りドリンクを補充する仕事をしておられ、その頃から腰が悪く大変だったそうです。その後プロパンガスの家庭向けボンベ配達に切り換えたのですが、これまた腰に負担のかかる仕事でした。

ずぶんと痛がっておられましたが、施術の結果、痛みは一応なくなりました。「事情を説明して、一時会社を休みなさい」とアドバイスし、体の使い方をお教えしたのが第一日目でした。

その日はスタスタと快適にお帰りになりましたが、翌日には以前程ではないけれども、また痛み出したようです。

これを繰り返しながら、次第に解消し、15単位(90分×15回)ほど通われて、治っていかれました。

(治験例2)腰椎椎間板ヘルニア(L4-L5)

Kさん(当時46歳 男性)

Kさんは会社経営をしておられる社長さんでした。

腰痛でお悩みで、病院で「腰椎4と5の椎間板ヘルニア」と診断され、MRI画像を持って来院されました。

MRIには確かに椎間板ヘルニアの所見が認められましたが、施術してみたところ、現在の痛みの直接的な原因は別の硬化異物ではないかと思われました。

そこでその硬化異物を移動させましたら、一応痛みが消えました。

「今、腰が重く痛い原因は、筋肉層の「固形ゴミ」です。ヘルニアの痛みではないけれど、いずれヘルニア発症へと向かう過程でありましょう」

Kさんは3週間後に大切なゴルフの大会があるとのことで、「出席できますかね…」と心配しておられましたから、こう申し上げました。

「出来ないこともないけれど、それにはしばらくは頑張って来院されなければなりませんな」

Kさんは10単位(90分×10回)通われ、無事大会に出場できました。痛みも無くゴルフを楽しめたと喜んでおられました。

(治験例3)腰仙関節&腰椎椎間板ヘルニア(L5-S1)

Tさん(当時大学3年生 男性)

Tさんは、高校時代からのアイスホッケーの選手でした。

MRI画像によりますと、腰仙関節と腰椎L2〜L5の合併症でした。他の方同様、1回目の施術直後は痛みがほとんど取れたと言って、腰を動かして喜んでおられました。

しかしそうは問屋が卸しません。

椎間板ヘルニアの元々の原因は、無理な体の使い方をすることで「ゴミ」が生じて、筋肉組織や血管・神経系が圧迫を受け、血流障害が生じ、器質が歪み、痛みが出るのです。

状況にもよりますが、「ゴミ」圧迫による痛みだけなら、その「ゴミ」を片付ければ器質が元に戻り、即その場で痛みは取れます。

しかし筋肉に負担をかけて炎症を起こしている場合は、施術後、痛みはやわらぐことはあっても、その場でスッキリ取れることはありません。筋肉器質が自然再生するまでの時間を要することになります。

Tさんは、14単位(90分×14回)しっかり通院して、すっかり解消されました。

(治験例4)ビックリぎっくり腰

Sさん(当時58歳 女性)

Sさん、これは私の姉です。

「ぎっくり腰で三日も四日も寝込んで、それでも良くならない。痛い」という電話が入りましたので、その夕刻、遠路はるばる出掛けて行った次第です。

まずは自宅にて、1単位(90分)ほど施術しました。

「今日はこれでおしまいだよ。今夜はもう泊めてもらうしかないから、後は明朝やって帰ることにしよう。もう夕食くらい作れるはずだから、立ち上がって、私に晩飯を作ってくれないか」

無事美味しい夕食をごちそうになりまして、翌朝もう1単位(90分)施術して終了しました。

姉の場合は、ぎっくり腰が原因で右側内転筋にまでオブラート様水膜玉が溜まっていました。これは炎症に対して体内の消防隊が駆けつけて消化活動を行った、その残骸のようなものです。

これを始末して終りでした。

ぎっくり腰の他、寝違いによる首筋の強い痛みなども2単位(90分×2回)くらいのものです。用心のために3単位(90分×3回)受けられた方もおられます。

(治験例5)頸椎骨化症と「大玉(だいぎょく)」

Eさん(当時43歳位 男性)

Eさんは、25年来ほとんどといっていい程、首を動かせない状態でした。首だけでなく、それが原因で肩、上腕、頭部にも症状が出ておられて、痛くどんよりと辛い日常をお過ごしだったようです。

さっそく患部に触れてみたところ、この症状の原因は、頸椎右側2番目から4番目(c-2~4)のところにあるピンポン玉位もある大きな石灰玉でした。

しかもその「大玉」の底部には、足でも生えているかの様に連鎖型の石灰玉が椎骨に絡みへばりついていたのです。

これは面白い!

などと言うとEさんに叱られそうですが、まるで「大玉」がタコの頭で、絡み付いているのがタコの足(変形性骨化症)のようでした。

核を持った硬石灰玉の構造

このような「硬石灰玉」が更に大きくなりつつあったわけです。

通常、単体の「石灰玉」は直径10mm以下のものがほとんどで、核や中硬膜の形成などはありません。
これは非常に珍しいのです。

最初この「ゴミ」を確認した時点では、オブラート様膜とオイル質の部分、その下の大きな硬い「玉」の表面と全体の輪郭しか分かりませんでした。

右指頭でオブラート様膜にエネルギーを注入したところ、2〜3秒で、まるでかぶせてあった風呂敷を引っぱるかのように、オブラート様膜が剥がれてきました。

それを左の手の下に持っていき溶かします。

右指には、今度はぬめりのあるオイル質の物質が付着しましたので、それも左手の下におさめました。

そして次の膜(硬膜)に指頭にてエネルギー注入を開始。その時には既に左手の下の2つの物質は水溶化されているのを確認しています。

その後、なんと硬い膜が、ドンッ!と音でもしたかの様な振動と共に粉々になりました。破片が飛び散ったので、それをまた左手の下に集めます。

その段階で右指下の「玉」を調べてみると、少し小さくなっていました。

次に出て来た膜(中硬膜)は一段と硬い膜でしたが、これも同じ要領で破壊します。

そして残った「玉」が、最後の核でした。

これがなかなか硬い硬い。指頭が熱い。じ〜っと待っていましたら、静止していた核が指頭の先で回転し出しました。そしてさらに回転が加速されてピューッと消えてしまったのです。

その後、絡み付いたタコ足を片付けて、改めて「玉」のあったところに指を当ててみましたら、丸くピンポン玉大に陥没していました。筋肉が押さえ付けられていたことがよく解ります。

そこで陥没部分の底辺に、右手3、4指頭で薬波注入したところ、まるで引っ張られていた複数のゴム板がその張力で跳ね返ってくる時のように、押さえつけられていた筋肉がパタパタパタッと跳ね返ってきたのでした。

これで患部は元通りです。

その後首全体を確認しましたが何の不都合もありませんでしたので、ご本人にも感覚を確認して頂きました。

めでたく25年ぶりの首が戻ってきたのでした。
約40分間のお掃除でした。

Eさんが喜んで下さったのは勿論のこと、私こそお陰様でこんな体験ができ、貴重な研究と薬波の素晴らしさに更に感動させられた次第でした。

このように、石灰玉が長年成熟していくうちには、核を獲得することがあるようです。そんな『玉』の構造には、地球の構造を見ているようで誠に驚かされました。

なお、骨化による脊椎湾曲症なども割りと簡単に治っています。

2013-12-02 | Posted in 和医術治験例